オートクチュールとは?意味と特徴

ファッション用語としてよく耳にするオートクチュールですが、正確な意味や特徴は知らない人もいるかもしれません。まずは、オートクチュールの定義や条件、顧客層、プレタポルテとの違いをみていきましょう。
オートクチュールの定義
オートクチュールとは、パリ・クチュール組合(通称サンディカ)の加盟店、および加盟店で作られた完全オーダーメイドの一点ものの服をいいます。フランス語で、オート(haute)は「高級」、クチュール(coutur)は「仕立服」を意味し、あわせて「高級仕立服」と訳されます。
熟練の職人が手作業で、最高級の素材を使用するためコストがかかりますが、ブランドにとってオートチュールを制作することはステータス。現代でも、多くのブランドがオートクチュールを作り続けています。
パリ・クチュール組合への加盟条件
パリ・クチュール組合に加盟するためには、以下のような条件を満たす必要があります。
・パリにアトリエ(工房)を構えている
・1年間に2回コレクションを開催する
・決められた数以上のルック(衣装)を製作する
・決められた人数以上のスタッフを常駐させる など
ここでのコレクションとは、日本でも広く知られるパリ・コレクションの1つ、オートクチュール・コレクションのことです。条件を満たすとデザイナーに「メゾン」という名のポジションが与えられます。なお、現在では条件が緩和されつつあり、参加の枠は広がっています。
オートクチュールの顧客層
オートクチュールの主な顧客は、世界中の王侯貴族、セレブ、富裕層が中心です。欧米では一般層でもオートクチュールを取り入れる文化が広がっていて、ウエディングドレスなどの特別な衣装に用いられる例が増えています。日本でも徐々にではありますがマーケットは拡大してきています。
プレタポルテとの違い

プレタポルテとは、フランス語で「すぐに着られる服」という意味を持つ言葉。オートクチュールは顧客1人のために作られる一点ものの服であるのに対し、プレタポルテは大衆のために大量生産される服であるのが違いです。
なおプレタポルテには、一般的な既成服という意味と、品質にもこだわった高級既成服の2つの意味合いがあります。海外では一般的な既成服全般、日本では高級既製服というニュアンスで使われることが多いようです。
オートクチュールの歴史|誕生から現在までの歩み

オートクチュールの歴史は、分業制であった服作りをデザイナーが一元管理するようになったことから始まりました。オートクチュールの誕生から現在までの歩みを解説します。
オートクチュール誕生以前
オートクチュールが誕生したのは、20世紀初頭とされます。それ以前、パリには数多くの高級仕立店がありましたが、規格は店によってバラバラで統一されていませんでした。当時の服の製作は工程ごとの分業制で、顧客自身が生地や装飾品を購入し、仕立屋にデザインを依頼、縫製は仕立屋とは別の針子が担うシステムが一般的だったようです。また、この頃のファッションの価値は素材にあり、デザインに関してはまだステータスが高くありませんでした。
1868年、クチュール組合が創設
イギリス人デザイナー、シャルル・フレデリック・ウォルトにより、パリでバラバラに運営されていた仕立店を組織化し、クチュール組合(サンディカ)が創設されます。シャルル・フレデリック・ウォルトはナポレオン3世時代の皇室ご用達のクチュリエでした。
パリ・クチュール組合の創設により、従来の顧客主導の服作りではなく、デザイナーがデザインしたものの中から顧客が選択、提供するというデザイナー主導の服作りへと変化します。デザイナーが生地の選定からデザイン、仕上げまでを一元管理する立場となり、デザイナーの地位が向上しました。このシステムがオートクチュールの元となっています。
1960年代、プレタポルテが台頭
1960〜70年代になると既製服であるプレタポルテが主流となり、オートクチュールは縮小傾向に。しかしながらオートクチュールはコストがかかり赤字になりやすい一方で、オートクチュールを制作していることがブランドの品格を高め、結果的に他事業の業績アップにつながっています。そのためハイブランドでは、現代でもオートクチュールを制作し続けているのです。
オートクチュール・コレクションに参加する代表的なブランド

オートクチュールだけを取り扱ったファッションショーをオートクチュール・コレクションといいます。コレクションに定期的に参加している代表的なブランドを紹介します。
シャネル(CHANEL)

シャネル(CHANEL)は1910年パリでガブリエル・シャネル(通称ココ・シャネル)によって創設されたブランドです。「女性の解放」をテーマに機能的で動きやすい女性服を次々と発表し、現代に至るまで確固たる地位を築いています。
シャネルがオートクチュール・コレクションを初めて発表したのが1916年。シンプルで着心地の良いジャージ素材のドレスが話題となりました。2025年春夏コレクションでは、パステルカラーのクラシカルかつフレッシュなアイテムが注目を集めています。
ディオール(DIOR)

ディオール(DIOR)は1946年フランスでクリスチャン・ディオールによって創設されたブランド。「エレガントとは何か」を追求し続け、世界中の人々を魅了し続けてきました。
オートクチュール・コレクションでデビューしたのは1947年のことです。シンプルながらも女性らしいシルエットを強調した「ニュールック」と呼ばれるスタイルで世界にセンセーションを巻き起こしました。2025年春夏のコレクションでは、「不思議の国のアリス」からインスピレーションを受けたモノトーンのクラシカルモダンな装いで威厳を示しています。
ヴァレンティノ(VALENTINO)

ヴァレンティノ(VALENTINO)は、1960年イタリア創業のブランドです。「ヴァレンティノレッド」と呼ばれる赤色やアニマルプリントが代名詞となっています。
フランス発祥のオートクチュールをイタリアに根付かせた先駆け的存在で、1962年にヴァレンティノ初のコレクションを開催。「白だけの服」というテーマで世界中に衝撃を与えました。2025年春夏コレクションは、創業者ヴァレンティノ・ガラヴァーニの意思を継いだアレッサンドロ・ミケーレによる初コレクションです。フリルやパッチワークを使用し、時代や国籍を超えた新しいルックで注目を浴びています。
バレンシアガ(BALENCIAGA)

バレンシアガ(BALENCIAGA)は、1917年スペインでオートクチュールメゾンとして創業したブランドです。モードなスタイルが人気で、「クチュール界の建築家」と呼ばれています。
創業者クリストバル・バレンシアガの引退とともに一時オートクチュールから撤退していましたが、2021年に再始動。2025年冬コレクションではドレスコードの再提案をテーマに、従来の固定概念を見つめ直す実践的なコレクションを発表しています。
ハイブランド一覧!服・バッグ・財布・ジュエリーのカテゴリー別に紹介
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オートクチュールとはこだわりがつまった世界に1つだけの逸品

オートクチュールとは、顧客とデザイナーのこだわりがつまった世界に1つだけの服。熟練の職人が手がける作品は、正に着る芸術ともいえる存在です。プレタポルテが主流となった現代においても、名だたるブランドがオートクチュールを制作し続けています。ぜひコレクションなどもチェックして、気になったブランドのアイテムを手に取ってみてください。